左翼って、いろんな立場の人びとと語り合い、理解し合えるはずだ。その思想と言葉は豊かなものだから。憲法9条と日本外交を中心テーマに、そのことを論じたい。───松竹伸幸


「(新安保)条約交渉は、1958年の台湾海峡の金門・馬祖事件を背景ににおこなわれたので、双方は、合衆国が在日基地から、または在日基地を通って、極東地域に軍隊を戦闘配置する必要が生じることを、きわめて明確に認識していた。日本側は、日本の安全が脅かされていない事態でありながら、合衆国の在日基地使用から生じる敵対行為に、日本が巻き込まれるかもしれないことに懸念を抱いていた。日本側の考えでは、金門・馬祖事件はまさにそうした事態であった。このような理由で、日本政府との事前協議なしに日本から『戦闘作戦行動』をおこなわないよう、日本政府は主張した」

「核兵器積載の米艦船が日本の港湾に寄港する慣行は、1960年以前に確立されたものであった。合衆国の条約交渉担当者たちは、日本のトップの政府関係者たちが米艦船によってときおり核兵器が日本の領海に持ち込まれていることにうすうす気づいていながら問題の真相をつきとめようとはしないことを、強く印象づけられた。その後、ワシントンの合衆国当局者たちは、『現行の手続き』には装備にかんする慣行が含まれるものと解釈し、岸首相はこの解釈を無言のうちに受け入れているものと受けとめた」







Author:松竹伸幸
(まつたけ・のぶゆき)
日本平和学会会員(日本外交論)
某地方出版社東京オフィス所長
